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“on ICE”なのは誰なのか? ユーリ・プリセツキー裏主人公説【ユーリ!!! on ICE】

2021/05/09 18:00

「ユーリ」の存在とは何だったのか…徹底考察してみた




2016年秋放送の名作スケートアニメ『ユーリ!!! on ICE』。
崖っぷちのスケート選手・勝生勇利と伝説的選手・ヴィクトルの師弟を超えた絆に、日本中が大興奮しました。

劇場版『ICE ADOLESCENCE(アイス アドレセンス)』の公開も控えており、放送から5年が経ってもまだまだ供給が絶えない(?)神作品です。ありがたや。
 


そんなユリオンで注目されるのはやはり勇利とヴィクトルの絆ですが、この少年の存在をお忘れじゃないですか?

そう、もう一人のユーリ、ユーリ・プリセツキー。
中性的な外見ながら中身は暴君という大変かわいいキャラクターのユーリですが……なんか……あんまり注目されていないのが不憫じゃないですか??
指輪交換、手つなぎスケートをする師弟のインパクトに、すっかり隠れてしまったユーリ。でも、筆者は思うのです。ユーリこそ裏の主人公ではないのかと。

そこで、改めてユーリ・プリセツキーとは作品の中でどのような存在だったのかを徹底考察してみました! 目覚ましい成長を遂げた彼の軌跡とともに、『ユーリ!!! on ICE』を振り返りましょう……!

2位じゃダメなんでしょうか?

 

「YOI」は、主人公のフィギュアスケーター・勝生勇利(23歳)が崖っぷちの弱小選手からグランプリファイナル準優勝まで上り詰める物語ですが、その結末に「主人公が1位でスッキリ終わらないんだなぁ」と思った人もいたのではないでしょうか。
優勝したのは若き才能、ユーリ・プリセツキーことユリオ。今回は敢えてこのユリオにフォーカスすることで、『YOI』をもう一つの角度から見ていきたいと思います。

 

◆目次◆
1.ユーリ・プリセツキー裏主人公説その①「挫折から勝利へ」
2.ユーリ・プリセツキー裏主人公説その②「自分だけの美しさ」を完成させる
3.ユーリ・プリセツキー裏主人公説その③孤独の中「愛」を見つける
4.「ユーリ」とは誰のことだったのか?

 


 真の勝者は?



物語のプロトタイプでは、主人公がさまざまな挫折を乗り越えて成長し、最後に勝利を掴むまでがセオリーですが、本作の主人公・勇利は一応表彰台に乗るという勝利は手にしたものの、優勝の座はライバルキャラに取られてしまいます

とはいえ、最近のバトル系作品では主人公の成長→勝利という単純な図式が崩されていることも多く、「YOI」についてもその「崩し」が適用されると言うこともできるでしょう。
しかし、そんな中敢えて最終回のグランプリファイナルで金メダルを獲得したユリオに注目したいのです。

勇利とユリオは、ヴィクトルのコーチを受ける権利を巡り、最初のバトル「温泉 on ICE」を繰り広げます。そこでユリオは敗北し、「挫折」を味わいます。しかし物語の最後には、シニアデビュー戦にして表彰台の頂上を飾るという「快進撃」を遂げるのです。

つまり『YOI』という作品において、「挫折を乗り越え最後に勝利を掴む」という最も主人公らしいムーブを見せたのはユリオだったのです。


 

自分の美しさを利用できる美少年は尊い



ヴィクトルが勇利のコーチになってしまったので、その間ユーリは元のコーチ・ヤコフの元で練習を続行します。そこへヤコフが呼んだ元バレリーナのリリア・バラノフスカヤが登場。


「今シーズンのプリンシパル…いいえ、プリマになりなさい。魂を売ってでも勝ちたいのなら」


プリマとは、バレエ団における女性バレエダンサーの最高位のこと。リリアは、ユーリに性を越境した美しさと強さを仕込もうとしたのです。そして、ユリオはこれを受け入れます。


「魂売ったぐらいで勝てんなら、この体ごといくらでもあんたにくれてやるよ」


しかしこの美しさはあくまで期限付きの「少年美」。それはユリオ自身もよくわかっています。その上で、己の今持てる美しさの全てを氷上で咲かせることが勝利の道だと、彼は覚悟を決めたのです。


「俺はこの容姿でいられる時間は短いんだ。今利用できるもんは全部突っ込んで絶対勝つ!」


周囲の者がユリオの美しさに息を呑む描写が度々されていることからもわかるように、本作では

ユリオを通して「少年のかりそめの美しさ」を描き出そうとしているように見えます。華奢だったり衣装がヒラヒラしていたりするからか、演技中の作画も他の選手よりもしなやかな感じがします。是非チェックしてみてください!
 

 

無償の愛、憧れ、友情

 
『YOI』において欠かせない主題の一つが「愛」ですが、ヴィクトル振付のプログラム「愛について」を軸に主人公・勇利と対になる形で描かれるのがユリオ。勇利は「エロス」、ユリオは「アガペー」という愛についての課題に、それぞれ取り組んでいく姿が描かれます。

15歳という若さや傍若無人な性格から、「アガペー」すなわち「無償の愛」を解釈して表現することに苦戦していたユリオが見出したのは、育ての親である祖父の愛。ユリオはこれを通じて、「愛について〜アガペー〜」という演目を消化していくのです。


もう一つ、ユーリの見つけた「愛」を語るのに欠かせないのがカザフスタンの選手オタベック・アルティンの存在です。
オタベックはグランプリファイナルでユリオと接触しますが、実は彼らは5年前に二人は一緒に練習していたことがありました。ユリオは覚えていませんでしたが、オタベックは「一度見たら忘れられないソルジャーの目」を持った、才能と自信のみなぎるユリオに5年間恋い焦がれていたーーと言っても過言ではないでしょう。オタベックの告白により、ユリオは彼が自分にシンパシーを感じていたことを知ります。
そしてオタベックの「友達になるのか、ならないのか」という問いかけに握手で答えるユリオ。孤独だったユリオが境遇を分かち合える者を得た瞬間なのです。

ヴィクトルと二人三脚で成長していった勇利に対し、ユリオについては孤独が彼を磨いたと言えます。二人で完成する「エロス」に対して「一方通行の愛」を意味する「アガペー」をテーマとして与えられたユリオにとっては、ちょうど相応しい構図なのかもしれません。
 

 

2人のユーリが物語のキー

 

さて、最後に改めてタイトルの「ユーリ」が誰だったのか、誰が舞台に立っていた(on ICEしていた)のか、ということについて、考えたいと思います。

勇利は主人公として、無名の選手として消えていく矢先、憧れの人ヴィクトルと出会い、自分自身の表現と愛を見つけていきます。
ただ同時に、本作はユーリ・プリセツキーの挫折から勝利への物語であり、成長物語であり、愛を見つける物語であると言うこともできると思うのです。

「ユーリ」とは、言うまでもなく勇利のことですが、「もう一人のユーリ」つまりユリオのことでもあるでしょう。それは「愛について」を軸に二人が対になっていることからも伺えます。1話でヴィクトルがユリオを呼んだ時、一瞬自分が呼ばれたと思って勇利が振り向いてしまう場面が、この2人のユーリが最初に交錯するシーンです。

劇場版の公開がいつになるかはまだ分かりませんが、3人目の主人公、ヴィクトル・ニキフォロフの過去や心情も明らかになると思われます。 『YOI』はメインキャラだけではなく、様々なキャラクターの「愛について」の葛藤や成長が描かれる群像劇。この先も見守っていきたいですね。


担当BLソムリエ:廣井無名
完全には幸せになれないCPが好きな漆黒の闇の腐女子。キーワードは死ネタ、愛のないSM、流血、狂気、宗教、叶わない恋など。

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