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最近よく聞く「Dom/Subユニバース」って一体?基本から徹底解説♥
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2022/11/28 18:00
闇属性の皆様~! 近頃のハッピーBLのビッグウェーブの中、「ドロドロの鬱々BLが足りないよ……!」と嘆いている方はいらっしゃいませんか?
そんな皆様を迎え入れてくれるジャンルがあります。
その名も「花の24年組」。
「花の24年組」とは、昭和24年前後に生まれ、1970年代ごろ~の日本の少女漫画の発展に貢献した巨匠たちの呼び名。現代に続く巨大な漫画文化の繁栄の一端を担ったといっても過言ではありません。
ことに我らが「ボーイズラブ」というジャンルにおいては、まさに母なる大地。
今回はそんな「花の24年組」に属する先生方の作品の中で、男性同士の恋愛や性愛、はたまた誰も割って入ることのできない男同士の強固な絆を描いた、珠玉の作品たちをご紹介します。
各作品については記事冒頭の動画でも詳しくご紹介していますので、一緒にチェックしてみてください♥
◆目次◆
1.尊すぎる愛のn角関係
2.永遠を生きる2人の美少年
3.元祖誘い受け美少年
4.2人の天才と年の差と…
5.恋とは、欲とは
6.前代未聞のIFストーリー
7.歴史上の人物から狙われて
尊すぎるプラトニックな愛のn角関係
あらすじ
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク…。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
おすすめポイント
「ギムナジウムもの」の原点にして頂点! 全寮制の男子校に通う少年たちがいきなり学校のアイドルである美少年の謎の自殺から幕をあける物語です。
信心深いがとあるトラウマを追った優等生・ユーリと、彼のことを好きだった自殺した少年・トーマ、トーマに瓜二つのやんちゃボーイ・エーリク、ユーリをいつも見守るワイルドで大人びた少年・オスカー。そしてたくさんの学校の仲間たち。憧れや恋の矢印が複雑に絡み合う中、ユーリの魂の救済の行方を繊細に描きます。
少年たちの超プラトニックなキスシーンがため息が出るほど美しい……。尊泣き間違いなしです!
『11月のギムナジウム』という読み切りがもとになっていますので、ぜひそちらもチェック♪
永遠を生きる2人の美少年
あらすじ
青い霧に閉ざされたバラ咲く村にバンパネラの一族が住んでいる。血とバラのエッセンス、そして愛する人間をひそかに仲間に加えながら、彼らは永遠の時を生きるのだ。その一族にエドガーとメリーベルという兄妹がいた。19世紀のある日、2人はアランという名の少年に出会う…。時を超えて語り継がれるバンパネラたちの美しき伝説。少女まんが史上に燦然と輝く歴史的超名作。
おすすめポイント
「きみもおいでよ ひとりではさみしすぎる…」
永遠の時を生きるバンパネラ(吸血鬼)のエドガーが、病弱の少年・アランを伴侶として迎える時のセリフが、切なくてギューンと来ます! アランに親のように厳しく当たるエドガーが時々アランを心配するそぶりを見せるツンデレっぷりがたまりません。
2人が人間だった時代や、様々な時と時代で生きるさまが短編の形で描かれますが、中には小さな女の子を拾って育てる「子育て」ストーリーも!?
実は最近、約半世紀の時を経て連載が再開。まだまだ楽しめる作品です。
萩尾望都先生は他にも義父から性的虐待を受ける少年の物語『残酷な神が支配する』や、雌雄体や性の転換・ゆらぎなどをモチーフにし疑似的にBLっぽくなる作品(『11人いる!』『Marginal』『メッシュ』『スター・レッド』など)も書かれています。気になる方は是非チェックしてみてください!
元祖誘い受け美少年に刮目せよ!
あらすじ
両親の愛に育まれ、素直に育ったセルジュと、愛を知らずに育ったジルベール。学校の寄宿舎で同室になった2人は、まったく対照的のように見えながら、奥底でつながるものがあった。反発しあいながら、お互いの気持ちを確かなものにしていく。
耽美漫画の最高峰にして、ボーイズラブの礎を築いたジーザスな作品。
おすすめポイント
その界隈では超有名な伝説の作品。竹宮先生は、男性同士の性愛を初めて本格的に少女漫画で描いた作家とも言われています。
美少年ジルベールくんがなんとも官能的♥寄宿舎の上級生だけではなく教師にまで体を売る「THE誘い受け」なんです! そんな彼が心の底では冷めているのは、愛を知らずに育ったから。そんな彼の前に現れた天真爛漫な少年セルジュが彼にどんな影響を及ぼすのか? しかし、セルジュもまた身も心もジルベールに惹かれ……。
話の展開は「つらい」ところが多いですが、逆にそういった物語にハラハラドキドキしたい方にオススメです。
2人の天才少年、そして思わぬ年の差BLに注目!
あらすじ
音楽に魅入られたふたりの天才少年と、彼らをとりまく人々が紡ぎだす変奏曲は――。
おすすめポイント
神童と呼ばれ輝かしい名声を得る、優等生なピアニスト・ウォルフ。対して破天荒で荒削りだが人の心を打つ天性のバイオリニスト・エドナン。2人の正反対な天才少年たちがお互いの音楽と人に惚れ込み、強い絆で結ばれていきます。しかしエドナンは、ウォルフが実は重い病気を持っいることを知り……。
メインの二人はそうした「クソデカ感情」に終始しますが(キスはします♥)、BL的注目ポイントは、モブキャラかと思われたメガネのクセありの美青年、ボブ。音楽評論家であり美少年ハンターの彼は、エドナンの音楽と美貌を愛し肉体関係に。作中ではエドナンたちが大人になり、おのおの結婚し、その子供が登場するまで描かれますが、そこでまたすっかりイケオジになったボブが(BL的に)大活躍!
年の差BL好きには堪らない展開となりますので、お楽しみに。
竹宮先生は匂い系のSF作品『地球へ…』も有名です!
恋とは何か、欲とは何か、この気持ちは何なのか
あらすじ
旧き良き時代に生きた少年たちの青春浪漫。名門旧制高校・持堂院へ入学した摩利とその親友新吾、そして学友たちの友情物語。
おすすめポイント
24年組BLには寄宿舎ものが多いですが、日本の旧制高校が舞台の作品は珍しい! 新吾を恋愛的な意味で好きな摩利と、根っからのどノンケの新吾。強く結ばれているようで不均衡な彼らの、微妙にすれ違う心、そしてそんなものをものともしない強固な絆にエモを感じてください。ぜひ、ラストまで読んでほしい!
とにかくスケールの大きい作品で、彼らが一心同体の親友として連れ添う数十年間をドラマティックに描きます。
新吾を想う摩利の心情描写に注目。新吾が振り向いてくれるのを待ちながら彼が女性と恋をしていく姿を横目に見る悲しみや、自分に思いを寄せる他の男との交情、みっともなく縋りつきたい思いとプライドとの葛藤…。新吾が決して薄情な男ではなく、真摯で憎めない男なところもかえってつらいのです。
とにかく読み終わった後は、人ひとりの人生を生き切ったような充足感が……!
木原先生の作品では、ほかにも世阿弥と義満を題材にした『夢幻花伝』 や耽美SM陵辱ものの『銀水晶』もおすすめです。
こんな聖徳太子IFは見たことない!
あらすじ
飛鳥時代、蘇我氏の後継者たる14歳の蘇我毛人(そがのえみし)は、ある日、池のほとりで10歳の少年往年、厩戸王子(うまやどのおうじ)と出会う。毛人と厩戸、ふたりの激動の物語が今始まる。
おすすめポイント
聖徳太子が美少年で超能力者、その上ゲイで蘇我蝦夷(毛人)に恋をしている…という、歴史漫画の中でも異色な作品。厩戸王子は恐ろしいほどの切れ者で、ミステリアスな孤高の美少年がお好きな方に全力でおすすめです。
少年時代の二人はお互いに惹かれますが、ノンケだった毛人は次第に女性と恋をするようになり、取り残された厩戸王子の葛藤を見ているとこちらまで鬱々とした気分に……。
しかしそれが醍醐味。クライマックスの興奮と絶望は何物にも代え難い……(暗黒微笑)。ドラマティックでページをめくる手が止まらないSF大河サスペンスロマンです。
歴史上の人物たちが美少年主人公を狙う!
あらすじ
女の子のような美貌で人気ロック歌手のジャスティン・レイ、ワイルドなピアニストのヒース・イアソン、リーダー的存在の詩人バージル・ワード。3人は神様のアシスタント天使ドジエルが、天地創造のときにドジってイブのあばら骨から作ってしまった“イブの息子”の子孫「ヴァン・ローゼ族」だった。ヴァン・ローゼの世界はパラレル・ワールド。3人は予想もつかない様々な事件に巻き込まれていくのだが…!?
おすすめポイント
『エロイカより愛をこめて』で有名な青池先生によるキテレツコメディ! 闇寄りのラインナップの多い古の少女漫画BLの中では異色です。『エロイカ』も美青年愛好家の怪盗エロイカと寡黙な冷血漢エーベルバッハ少佐をめぐるドタバタストーリー(たまにどシリアス)ですが、本作『イブの息子たち』はそれを遥かに超えたぶっ飛び感!
メインキャラ3人の中で、 美少年のジャスティンを巡る三角関係。3人は奇妙な乗り物で時空を旅しますが、行き先で出てくる歴史上の人物たちもことごとくゲイで、ことごとくジャスティンを狙い始めます…。
ヤマトタケルと森蘭丸の麗し男衆は要チェックです!
ダークな作品の多い花の24年組作品ですが、こちらはギャグマンガなので光のBLファンの方にもおすすめですよ~!
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いかがでしたでしょうか? 何しろ半世紀近く前の作品なので、当時の表現がそのまま使われており現代との違いを感じることも多いですが、そんな長い時を経ても愛され続ける名作ばかり。
また、CPになるかと思いきや女性とくっついてしまうキャラも少なくなく、 BLファン的には「チクショー!」となることもしばしばですが、それも必要な展開なのだ…と納得させるほどの深さと緻密さのある物語たちです。
タイトルだけご紹介した作品も、是非是非チェックしていただけたら幸いです!