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「サ終」は本当に不幸なのか?噂の不死鳥『バンドやろうぜ!』オタクが答えます

2022/03/14 18:00

いつまでもあると思うな親とソシャゲ…『バンやろ』はなぜ“サ終の星”になれたのか



サービス終了――通称「サ終」。
それはソシャゲユーザーであれば、誰もが恐れる緊急事態。

今や、年間200前後のゲームがサ終を迎える厳しい時代。2年継続の高い壁、1年と経たずに数ヵ月で市場から姿を消す……なんて例も決して少なくありません。

たかがゲーム、されどゲーム! ソシャゲは生活の中心であり日々の糧!! 推しに課金するために生きてるんだ!!! というユーザーたちにとって、サ終のお知らせは死刑宣告も同然。突然の通知に頭は真っ白、震える手……「私、明日から何を希望に生きていけばいいの……?」その気持ち、わかりすぎます(涙)

そんな恐怖のサ終ですが、先日ネット上で、「サービス終了ゲーム総選挙」なるものが開催されたのをご存知でしょうか。その名の通り、これまでに惜しくもサービスを終了してしまったアプリゲームの人気投票だったのですが、このランキングで堂々の1位を獲得したのが、2016年秋リリース、2019年3月に終了したリズムゲーム『バンドやろうぜ!』(通称:バンやろ)!!

同総選挙の主催者も「想定外」の結果だったという『バンやろ』の首位。しかし一部のオタク界隈では、「サ終後も様々な形でコンテンツが生き続ける不死鳥ジャンル」、「こんなに盛り上がりが続くなんてサ終の星だ」と一部のオタク界隈では囁かれ続けていました。

実のところ『バンやろ』は、サ終後だけでなく、サービス提供中から数々の伝説を生み出していたコンテンツ。不死鳥化したのは、いわばその伝説の延長だったのです。今回は、事前登録からサ終のその瞬間までリアルタイムで立ち会い続け、今なおバンやろ沼から抜け出せない筆者が、徹底的に魅力を解説していきたいと思います!!


◆目次◆
1.そもそも『バンドやろうぜ!』って?
2.『バンドやろうぜ!』伝説【ゲーム編】
①涙と青春の王道ストーリー! …だけじゃない
②個性的すぎるキャラによる大量の迷イベントが爆誕
3.『バンドやろうぜ!』伝説【サ終後編】

①サ終とほぼ同時期に初のライブ円盤が発売
②サ終から1年後に公式メモリアルブックが発刊
③ライブやトークイベント、コラボカフェなどが次々開催される
④リズムゲーム『REALIVE!』と2年連続コラボ
4.『バンドやろうぜ!』は今からでも履修可能! なぜなら…

 

 
キャッチコピーは「青春」×「バンド」リズムゲーム。アニプレックスとソニーミュージックがタッグを組んだ、まさに音楽性を追求した音ゲー! ここでは『バンやろ』の基本データとして、物語の中心となる個性大爆発の4バンドをご紹介したいと思います!(バンドプロフィールはすべて公式HPより)


BLAST(ブレイスト):キャラクター原案/曽我部修司[FiFS]

 


【メンバー】
Vo.東雲大和(CV.生田鷹司)
Gt.巻 宗介(CV.増田俊樹)
Ba.佐伯 翼(CV.山下大輝)
Dr.白雪徹平(CV.石谷春貴)

【バンドプロフィール】
緋ノ山第一高校に通う宗介(Gt.)が中心となり、同学校の翼(Ba.)、徹平(Dr.)と共に結成。正規ボーカルが決まらない状態が続いていた中、ビギニング・Rの出演に合わせて17人目のヘルプメンバーとして大和が一時加入する事に。アグレッシブで熱い曲調が特徴。


これぞ青春。これぞエモーショナル。将来有望な投手だった大和が事故で肩を壊し、せめてチームに貢献したいとスタンドで応援団をしていたところ、その声に惹かれた宗介が直々に仮Voにスカウトし……という始まりがすでに尊い。終盤で初めて宗介が大和を名前で呼ぶシーンでは、全私が滂沱の涙を流した。放っておくとボケ倒し続けるツッコミ泣かせのバンド。

 

OSIRIS(オシリス):キャラクター原案/さらちよみ

 

【メンバー】
Vo.高良 京(CV.小林正典)
Gt.レイ・セファート(CV.花江夏樹)
Ba.来栖真琴(CV.内田雄馬)
Dr.小金井 進(CV.梅原裕一郎)

【バンドプロフィール】
幼馴染だったレイ(Gt.)と進(Dr.)により結成、後に京(Vo.)と真琴(Ba.)が加入。インディーシーンでライブ中心に活発に活動しており、その音楽性と世界観の完成度の高さから一時メジャーデビューの噂も囁かれていた。クールで叙情的な楽曲が特徴。


ミステリアス&セクシーなVo、発言は下ネタギャグ枠なのに音がエロすぎるGt、所詮バンドなんて…からの熱い展開を演出する秀才Ba、重厚感と疾走感が共存した兄貴肌のDr。完璧か? 何もかも揃い過ぎか?? リアルライブの開催率が最も高く、アプリリリース前から活動。バンやろの民をより深いバンド沼に引きずり込んだ罪深き立役者。

 

Fairy April (フェアリーエイプリル):キャラクター原案/いとうのいぢ

 


【メンバー】
Vo.鳳 葵陽(CV.蒼井翔太)
Gt.七瀬一真(CV.石川界人)
Ba.徳田吉宗(CV.山本匠馬)
Dr.藤堂美郷(CV.小林裕介)

【バンドプロフィール】
大手総合プロダクション「ビー・トラップ」に所属する四人組バンド。鳳 葵陽(Vo.)、徳田吉宗(Ba.)、藤堂美郷(Dr.)が初代ギターメンバーと共に中学の文化祭を機に結成。その後ビー・トラップに所属するタイミングでギターが脱退し、代わりに同事務所に所属していた七瀬一真(Gt.)が加入した。個性溢れる楽曲と共に、その高いライブパフォーマンス力が評価されている。


人気も実力もあるものの、1人だけ後から加入した一真と、幼馴染みとしても理解し合っている3人の、どこか歪な距離感。それが時間をかけて雪解けし、本当の意味で春を迎えた時のこの……っ、この絶妙な瞬間の感情が伝わってほしい……ッ! 「ジャンル:フェアエプ」とでも名付けたい唯一無二のメロディアスロック。

 

Cure²tron(キュアキュアトロン):キャラクター原案/ゆーげん

 

【メンバー】
Vo.マイリー(CV.黒沢ともよ)
Gt.シェリー(CV.田野アサミ)
Ba.ユキホ(CV.湯浅かえで)
Dr.ミント(CV.村川梨衣)

【バンドプロフィール】
シェリー(Gt.)とミント(Dr.)が結成し、後にユキホ(Ba.)が加入。その後暫くはシェリーがギター&ボーカルだったが、ある日シェリーが一人でカラオケボックスで歌うマイリーの姿を見てボーカルに誘い入れた。キュートでポップなサウンドが魅力の異色系バンド。


聴いてびっくり見てびっくりの男の娘バンド。大切なことなのでもう一度。全・員・男・子!! 可愛くポップであることを貫く芯の強さ! そして時折覗く、隠しきれない色気と棘ッッ! 我々が追い求める「男の娘」の楽園はここにある。フェアエプの一真はユキホに一目惚れして曲まで作ってしまった。わかる(わかる)。


4バンドは、みな同じライブハウス「エデン」を拠点とするバンドマンたち。はじめはバンドごとに違う縦軸のストーリーからスタートするのですが、物語が進むに連れ各バンドの横の関係も交差し始め、大きな目標に向かってひとつになっていく……!「音楽」という核で繋がるバンドマンの醍醐味!! 一度足を入れたら最後、熱い展開しか待っていないことを固くお約束します。

このほか、魅力的なライバルバンドも盛りだくさん。なぜそこまで、というくらいサブキャラたちも個性が暴発しています。

 
さて、基本情報をさらったところで本題へ。「どうして『バンドやろうぜ!』が不死鳥と呼ばれるようになったのか」。まずはそこへ繋がるアプリ現役時代のエピソードから!

①涙と青春の王道ストーリー!…だけじゃない

 

バンドごとに強みも悩みも違い、それぞれにしか出来ない方法で絆を深めていく。『バンやろ』は、基本的にはそんな胸アツ展開の王道物語。そこにくすっと笑えるギャグが挟まっている程度ならば、どんなゲームにもあって当然の流れというものです。「くすっと笑える」のレベルで済むならば、ですが……。

Fairy April 本編7章での一幕(公式Twitterより)

4バンドが活動する音楽業界には、彼らもまだ知らない深い闇がありました。ついには過去も未来も巻き込んで「音楽で壊れてしまった世界を救うために、音楽で戦う」という大事件に発展していきます! 終盤でライバルと本気でぶつかり、認め合い、共闘関係になる部分など、涙なしに読めるはずもありません!

青春×バンドだからって、学校やライブハウスの中だけでドラマが起こらなくたっていいんだなぁ――『バンドやろうぜ!』は私たちに大切なことを教えてくれた……。

しかしこれはまだまだ序の口。『バンやろ』を伝説に導いたのは、次々公開された奇怪な季節イベントたちでした。

②個性的すぎるキャラによる大量の迷イベントが爆誕

 

秋リリースだった『バンやろ』の初季節イベント――それがハロウィン。メンバーたちは、ライブハウス「エデン」でハロウィンライブの練習をしていたところ、突然魔界に飛ばされてしまったのです。

何を言っているかわかりませんね。 私もそうでした。



ロゴとタイトルだけで既にギリギリの限定イベントたち(公式Twitterより)

魔界はじめ、運営にやれと言われれば時代も時空も国境も越えて、あらゆる場所へ飛び立つのが『バンやろ』メンバー。魔界ではキャラの首がもげ(他イベでももげる)、イースターでは登場人物が次々卵に姿を変える。年末には平安時代で紅白ライブ合戦を繰り広げ、バレンタインにはカカオの妖精を討伐し、またある時は剣と魔法の世界で戦い、またまたある時はパロディ大渋滞のアメリカンスクールカーストドラマにぶち込まれたりする。彼らはそういう運命なのです。諦めた方がいい。

『バンやろ』内で展開された数々の奇天烈シナリオは、公式及びファンの間では多大なる愛情を込めてこう呼ばれてきました。

「クソシナリオ」、と――。

アツいメインシナリオ、下ネタとパロディの応酬、トチ狂ったイベントのクソシナリオ、それらすべてが一体となって『バンドやろうぜ!』は構成されています。その特にぶっ飛んだ部分がSNS等で取り沙汰され、「ギャグと下ネタと青春が混在した少年漫画展開らしい」「間違っても乙女ゲームではなさそうだ」と認知され始めたのです。
(でもさすがに「夏の水着イベがきた♥」と胸躍らせていたら、無人島で全裸に葉っぱ一枚という推しの差分イラストが公開され、全力で猿と戦い始めた時にはどうしようかと思いました。好き。)

 
「その日」は突然にやってきました。記憶が正しければ、あれは2018年5月半ば。

プロデューサーからの「更新終了のおしらせ」……期限は同年7月末。即時サ終に結び付くわけではありませんでしたが、終了の日は近く必ず来るのだと絶望したのを覚えています。この1か月半前に、最大キャパの会場で熱気溢れるギグを目撃した直後だったことも、ショックに拍車をかけました。


しかし、ここでプロデューサー挨拶の一文に目が留まります。
「アプリの更新はまもなく終了いたしますが、サービスの完全終了(プレイが出来なくなる)時期については今後の稼働状況を注視しながら、あらためてお知らせさせていただく予定です。」(公式HPより)

我らファンの動向によっては、サ終というタイムリミットが僅かでも延びるかもしれない……? おそらく、同じように思ったファンも多かったでしょう。

ライブイベントが企画されればグッズ等をできるだけ購入し、新規リリースされたCDももちろん網羅。カラオケコラボにも通い詰めました。とにかく更新停止した『バンやろ』の息を永らえさせたい。しかし、残酷にもその時は来てしまうのです。2019年3月29日、『バンドやろうぜ!』はついにサ終を迎えました。


けれど気がつけば、更新終了からなんと8ヵ月。そこまでお別れの猶予をくれた公式様に感謝しないファンなどいるわけがない! 思えばこの8ヵ月の間に、ファン、プロデューサー、制作陣の一体感と熱意が、より育まれていったように感じます。

さてここからついに『バンドやろうぜ!』の不死鳥並みの快進撃が始まります。伝説の幕開けです――!!ごく一部を簡単にご紹介します!

①サ終とほぼ同時期に初のライブ円盤が発売

 

3ライブ入ってステージ6時間超、オーディオコメンタリー6時間超の計12時間収録された大作なのに、お値段12000円ほど。安すぎて心配になる。SNS上では、円盤をドライブにつれていったり、お布団に寝かせるなどご乱心歓喜のあまり我が子のごとく愛でるファンが続出し話題に。


②サ終から1年後に公式メモリアルブックが発刊

 

厚さ2cm超え、重さ2kg超え、総ページ448ページの通称「鈍器」。公式側もすべては把握できていなかったほどの情報が熱狂的ユーザーから提供されたことにより完成したもので、もはや『バンやろ』のすべてとも言えるデータベース。



写真は筆者私物。比較対象はラノベサイズの文庫本。届いた時は思わず笑ってしまいました。
その後、メインシナリオをフルボイスで収録したドラマCD4部作を半年かけてリリース。どこまでファンに遺してくれるのだろう……。

③ライブやトークイベント、コラボカフェなどが次々開催される

 

音楽制作に携わったメンバーが集って楽曲の裏話を語るだけのイベントなど、普通のゲームでは有り得ない内容のものも! 『バンやろ』がいかに音楽に本気だったのか伝わってきて…もう……(嗚咽)

特に名物となっているのが、年末恒例の未成年お断りトークイベント・通称「ヨゴレの会」。主に下ネタが大解禁される場で、公式のシナリオライターたちが集まって「キャラたちの好きなAV」だの「誰が童貞で非童貞か」だのをオールナイトで議論する、正気の沙汰とは思えないイベント。『バンやろ』の神髄ここにあり。めちゃくちゃチケットが取れない。

もちろんトークに限らず、ライブイベントや、大規模なギグも開催。このあたりから、「あれ?『バンやろ』ってサ終……した……?」となってくる。

さらにさらにこのほかにも、複数回にわたるコラボカフェ・カラオケコラボの復刻開催や、「アニメ化してほしいアプリゲーム」連続ランクインと、不死鳥の名をほしいままに!

④リズムゲーム『REALIVE!』と2年連続コラボ

 


2020年、2021年に実現。新規の立ち絵が登場しただけでも気絶しそうなのに、コラボ先がリズムゲームとあって、かつて『バンやろ』でプレイしていた楽曲も遊べる神仕様。一昨年のコラボでは、OSIRISの新曲が配信リリースされました。


きりがないのでここらで一度落ち着きたいと思います!
『バンドやろうぜ!』が不死鳥たる所以、ご納得いただけましたでしょうか……!!

 
さて、ここまでなんだかんだギャグ要素を多く取り上げていましたが、『バンドやろうぜ!』について、おそらく私を含めたファンが一番言いたいことがあります。それは、

「結局『バンやろ』は音楽が最高!!!!」
「ライブのかっこよさが卒倒レベル!!!」

ということです。何を並べ立てようと、音楽に勝るものはなし! 楽曲について触れずに『バンやろ』を語ることはできません!!

楽曲制作陣も、ロックバンド・PENGUIN RESEARCHのBa.で、ボカロP・kemuとしても人気の堀江晶太さん(BLAST)や、大塚剛毅さん(OSIRIS)、千葉"naotyu-"直樹さん(キュアトロ)、フェアエプでは草野華余子さん、分島花音さん、kanon(アンティック-珈琲店-)さんなどなど、アニメ・ゲームファンなら必ずお一人は目にしたことがあるような豪華メンバーが大集結。そして全曲にバンドごとのストーリーが詰まっているので、いつ聴いても胸が苦しい……っ!!

さらに、バンドの醍醐味といったらライブ! やっぱりライブですよ奥さん!!

通常、2バンド以上が同じライブで演奏=対バンするとしたら、1組ずつ登場しセットリストが全て終わったら退場、そして次のバンドの出番……というのが普通ですよね。しかし、『バンやろ』は違います。

ゲーム内に登場する「デュエル・ギグ」……すなわち2バンド(以上)が交互に演奏し、会場の盛り上がりで勝敗を決めるという対戦形式を再現。つまり、「音楽での殴り合い」が実際のライブでも堪能できてしまうのです! 元々ロックバンドのライブやフェスが好きでしょっちゅう参加していた筆者も、初めてバンやろのデュエル・ギグを目の当たりにした時は大いに度肝を抜かれました。

その盛り上がりの一端を垣間見られる公式映像がありますので、ぜひご視聴ください!!

バンドやろうぜ! / ミュージックビデオダイジェスト映像

「バンドやろうぜ!」COMPLETE DUEL GIGS BOX発売決定記念 デュエル・ギグSP

『バンドやろうぜ!』が今からでも履修可能な理由。それは、一度世に出た音楽は、もう永遠に消えない作品だからです。

もちろん、本編第1部をフルボイスで収録したドラマCD4部作や、ライブ円盤、公式ファンブック(鈍器)があれば無敵装備この上ないのですが(笑)、たとえそれらが手元に無くても、彼らの音を愛し、曲の背景に思いを馳せる……それだけであなたはもう立派な『バンやろ』愛好家!!

サ終後も尽きないファンの熱意と望み、それを叶える制作陣の愛情と努力、そして不滅の音楽。全部が全部寄り合って、『バンドやろうぜ!』という奇跡のようなコンテンツは、今日もどこかで息をし続けています。

さあ! 今日からまた皆さんもご一緒に!
まだまだ、バンドやろうぜ!

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