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かつて「世界で一番美しい少年」と言われたあの美少年は今…

2022/12/03 18:00

『ベニスに死す』だけじゃない!ヴィスコンティ監督のゲイ映画3部作



突然ですが、皆さんは「世界一の美少年」と聞いて誰を思い浮かべますか?


ちなみに記者は、キムタクや松潤の少年時代を見た時、「これが美少年か!」と衝撃を受けました。レオナルド・ディカプリオや、『BANANA FISH』のアッシュのモデルともなったリヴァー・フェニックスもいいな……。大河ドラマ『義経』の神木隆之介や『御法度』の松田龍平の和風美人も捨てがたい……。

さて、かつて「世界で一番美しい少年」と言われた銀幕のスターがいました。その名もビョルン・アンドレセン。BLファンの間でも有名な映画『ベニスに死す』で、老芸術家を破滅へと導いた魔性の美少年役の俳優です。

映画『世界で一番美しい少年』公式サイト - GAGAより

見てくださいッッ! このご尊顔を……! その二つ名に恥じない麗しさですね。
ちなみにアンドレセン氏は、最近話題となったサイコスリラー映画『ミッドサマー』で白髪白髭の神妙なイケオジとなってカムバックしていました。あのイケオジ、こんな美少年だったんやで〜!

2021年、60代後半となったアンドレセン氏の生い立ちに密着したドキュメンタリー映画『世界で一番美しい少年 The Most Beautiful Boy in the World』が公開され、再びその少年時代の美貌が脚光を浴びました。

そして『ベニスに死す』の監督ルキノ・ヴィスコンティ氏の作品には、一部の界隈で「ゲイ映画3部作」と呼ばれる、『ベニスに死す』を含む男性同性愛要素のある作品群が存在するんです。
というわけで、今回はその3部作についてもご紹介していきたいと思います!

◆目次◆
ゲイ映画3部作
・傍若無人なヤンチャ美青年に惹かれ……
  『家族の肖像』
・人妻に恋したり美男子との爛れた性活に溺れたり
  『ルードウィヒ 神々の黄昏』
・美少年をストーキングしてたら病に倒れてしまった話
  『ベニスに死す』

 

映画『世界で一番美しい少年』レビュー



この映画はアンドレセン氏の『ベニスに死す』時代を始め、幼少期の悲しいエピソードや妻子との関係など、プライベートについても掘り下げた作品です。

ヴィスコンティ監督は、『ベニスに死す』の実写化にあたり、芸術家を魅了し破滅に追いやる絶世の美少年・タッジオ役に適任の役者を探すべく、ヨーロッパ中から金髪碧眼の美少年を招集氏オーディションを開催。映画にはその様子が記録されています。


候補者の少年たちを広大なホールで円になって歩かせ、それを眺める監督。目に止まった候補者を一人ずつ別室に招き入れて役に合うか徹底的に面接。な、なんだこの贅沢すぎるイベントは……権力が欲しい……

数多くの候補者の中から選び出されたビョルン・アンドレセンは、『ヴェニスに死す』が公開されると一躍時の人に。しかしこの映画には、その栄光だけではなく、その裏側にあった闇や、彼の悲劇的な生い立ちも映し出されています。

オーディションも今考えるとなかなかグレーなもので、いきなり監督に「服を脱いで」とセミヌードにさせられたビョルンが戸惑うシーンも。映画のヒットに伴う過酷なスケジュールや、「15歳を過ぎて美しさが減ってきた」という残酷な言葉、中には監督にゲイクラブに連れていかれたという経験もあったようです。

当時来日したビョルンに熱狂する日本のファンの様子も。ちょうど美少年漫画全盛期の時代ですねぇ……(『トーマの心臓』とか)。『ベルばら』の池田理代子先生が当時を語ったインタビューも収録されています。
こちらはDVDが発売されているので、見逃してしまった方は是非!

ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ゲイ映画3部作」


そんな伝説の映画『ベニスに死す』のヴィスコンティ監督はバイセクシャルとして知られており、おじさんが美少年や美青年に見惚れてうっとりする……みたいなシーンに(私の中で)定評があります。

その財力に物を言わせ、自分好みの俳優をキャスティングし、豪華絢爛なセットで美しく退廃的な映画を生み出したヴィスコンティ氏。

ここでは、そんなヴィスコンティ氏の映画をプレゼンさせていただきます!

傍若無人なヤンチャ美青年に惹かれ……


 
ローマの高級住宅街に邸宅を構える老教授のもとに、伯爵夫人、娘のリエッタ、その婚約者ステファーノ、そして婦人の愛人・コンラッドが訪れ、なんやかんやあってコンラッドが教授の家に住むことに。

静かな生活が邪魔されてウンザリしていた教授でしたが、ある夜、物音がして見に行くと血まみれのコンラッドが倒れており、教授は彼を隠し部屋に運び込み手当てをします。血も滴るいい男が、イケオジに介抱されているシーンは眼福♥シャワーシーンもそういう目でしか見られない♥

自分の若い頃とは対照的に自由に生き、教養があり美しいコンラッドに教授は惹かれ、彼を養子に取ることまで考えますが……。美男子に心惹かれるおじさまの視線が切ない傑作です。


あらすじ
ローマの豪邸で隠遁生活を送る老教授。しかし強引なビアンカ夫人の差し金で、二階の部屋を彼女の若い愛人コンラッドに貸すハメになってしまった。やがて同居人の数も増え、お互いがお互いをののしる中、教授の静かな日常は完全に破壊されてしまうが……。

 

人妻に恋したり美男子との爛れた性活に溺れたり


 
『家族の肖像』でも美青年役を務めていた俳優ヘルムート・バーガーが主演のルードヴィヒ役に起用されており、監督が彼を寵愛していたことがよく分かります。確かにいい男なんですよ。絵になる!

「狂王」とも呼ばれた若きバイエルン王・ルードヴィヒ2世は、芸術に傾倒し国家予算を傾かせたり、人妻の従姉に叶わぬ恋をしたり、戦争から帰ってきたかわいい弟は精神を病んでしまっていたり、苦難の連続の人生。その頃自身の同性愛傾向にも気付き、婚約も破棄。イケメンの従僕や役者を侍らせ荒んだ生活を送るように……。

弟のオットーがこれまたハンサムで可愛いんですよね〜! 途中でルードヴィヒとオットーがあやしげな雰囲気になるシーンも数箇所あり……。

映画公開時は長過ぎてカットされたようですが、のちに完全復刻版が公開。本当に長いんです、それが(ほぼ4時間。長すぎ!)。辛いシーンも多いのでなかなかしんどいですが、見応えがあります!


あらすじ
19世紀、18歳でバイエルン国王に即位したルートヴィヒ2世は音楽家ワーグナーに傾倒し、国の予算を危険にさらすほどの援助を施す。従姉のエリーザベト皇后に恋い焦がれるもその恋は叶わず、彼女の妹ゾフィーと婚約するもこれを破棄。さらに戦争を嫌った彼は前線に弟のオットーを送り出すもののその弟は帰国後、精神を病んでしまう。数々の苦渋に苛まれた彼はいよいよ厭世的になり、美男の従僕たちとの退廃的な暮らしに耽溺。国王の役目を果たさないことに業を煮やした官僚たちは、彼から王位を引きはがそうと画策し始める……。
 

美少年をストーキングしてたら病に倒れてしまった話


 
や〜っぱりこれでしょ! ということで、最後にこちらの作品をば。トーマス・マンの同名小説の実写映画化です。

老芸術家・アッシェンバッハは、旅先でこの世のものとは思えない美貌の貴族の少年・タッジオに遭遇。彼に一目惚れしたおじさんはストーキングを開始! ホテルですれ違ってトゥンクトゥンクしたり、海辺で水着になり歳上の男の子とくんずほぐれつする姿を見て奥歯をギリギリしたり。分かるよ、その気持ち。

しかしその頃ベニスには疫病のコレラが流行り始めていました。早く引き上げておけばよかったのに、タッジオくんと離れたくなかったおじさんは「タッジオくんのためなら死んでもいい!!」とベニスに留まることに。それが仇となり、最終的にはタッジオの姿を見ながら疫病で死んでしまいます。

闇BLのニオイがプンプンですが、タッジオくんが本当に美しく、絶対に見ておいて損はありません! BLファンの教養です!
 

あらすじ
1911年、作曲家の男性が休養でイタリアのベニスを訪れる。そこで彼は、宿泊先で出会った少年の美貌に強く惹きつけられる。彼はそれ以降、その美少年を求めベニスを彷徨い始めるが、ちょうどその頃、コレラがまん延し始める。


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いかがでしたでしょうか? 今回は4つの映画をご紹介してきました。どの映画も長いのですが(汗)BLファンにはオススメです。気になる作品があったらチェックしてくださいね♪

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