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【まほやく】愛は宿命を変えるか?オズとアーサーの強すぎる絆が尊い【魔王と王子様】

2021/06/28 12:00

あの子の未来に祝福を。美しく繊細に描かれる、唯一無二の関係性




オズは知っている。宿命は変えられないと。

けれど抗っている。何よりアーサーの幸せを願って。


『魔法使いの約束』。通称『まほやく』は、2019年11月の配信開始から現在までに500万ダウンロード以上を突破する、株式会社colyによる大人気育成ゲームです。

『魔法使いの約束』公式youtubeチャンネルより


5月には舞台化もされ、日々躍進を遂げる『まほやく』の個性豊かなキャラクター達の中でも<強い絆の二人>と公式で呼ばれるオズとアーサー。師弟関係であると同時に、オズはアーサーの育ての親でもあります。

魔法使いと弟子、擬似親子。これだけでも魅力的な響きです。ですがこの2人の関係性、まだまだ奥が深い。そして重い。展開や設定が激重であればあるほど興奮してしまう私は、過酷な2人の未来に頭を抱えつつも「尊い…と咽び泣きながらストーリーを読み進めました。

というわけで本記事では激重設定大好きな私がオズとアーサーの関係性、そして今後の2人を語る上で重要な要素となる、ある宿命についてご紹介していきたいと思います! これを読んでぜひみなさんも私と一緒にオズとアーサーのしんどい沼に落ちてください!

※当記事には期間限定イベントを含む現在までに公開されたストーリーの重要なネタバレ、個人的考察等が多く含まれます


◆目次◆
1.恐怖の魔王と純真無垢な王子様? オズとアーサーとは
2.魔王を変えた運命の出会い
3.危うい? アーサーが向ける絶対的信頼
4.変えられぬ宿命……双子の予言と未来

 

 

<大いなる厄災>と戦う賢者と賢者の魔法使いの物語


『魔法使いの約束』公式ツイッターより


————月に愛されたこの世界は 傷だらけでとても美しい

甘く、どこか謎めいたキャッチコビーが私たちを魔法の世界へと誘う『まほやく』。代表作に『アイドリッシュセブン』などを持つシナリオライター都志見文太氏によって描かれる壮大な物語は、魔法使いと人間が共存する世界、そしてその中心の大陸に存在する5つの国を舞台とします。

国は特徴も様々。ですがこの世界で暮らす人々には、共通して畏怖するものがあるんです。それが<大いなる厄災>と呼ばれる大きな月。<大いなる厄災は>年に一度、強大な力をふるって世界に襲いかかります。

そんな恐ろしい存在に対抗するため、選ばれし“賢者の魔法使い”達は終わりのない戦いを続けているのでした。現代日本からこの不思議な異世界へと新たに召喚された“賢者”である私達は、彼らと共に<大いなる厄災>に立ち向かうため、時に仲間同士ぶつかり合いながらも心の繋がりを深めていきます。

オズとアーサーも、時期は異なりますが賢者によって選ばれた“賢者の魔法使い”です。

『PASH!』6月号より。左/オズ、右/アーサー

無口で馴れ合いを好まない、世界最強の魔法使い。オズ


かつて世界を支配しかけ、賢者の魔法使いとなった今も人々から恐れられるオズ。長い黒髪と赤い瞳が印象的なその容姿は、威厳を感じさせつつも2000歳オーバーとは思えないほど若々しいですね。

彼は厳しい自然に囲まれた極寒の大地「北の国」の出身で、天候すらも意のままに操ることができる超強力な魔法使い。

「群れに意味はない。生き残るものが生き残るだけだ」と語るオズの言葉は一つ一つが真理的で、何者にも脅かすことのできない存在ゆえの孤高さが表れています。

 

少し天然なところもある、心優しい王子様。アーサー


品行方正で純粋な性格のアーサーは、正義感が強く向上心の高い者が多いとされる中央の国の王子様。どんな時でも心を暗く濁らせることがありません。銀色の髪と大きい真っ青な瞳も、まさにおとぎ話の王子様。年齢は17歳。オズとはすごい歳の差!(笑)

いかがでしょう。孤高な北の国の魔法使いオズと、純真無垢な王子様のアーサー。容姿も性格もまるで対照的な2人の魔法使いが一体どう出会ったのか、だんだんと気になってきたのではないでしょうか。



オズ『魔法使いの約束』公式ツイッターより


アーサーは中央の国の王子ですが、実は気を病んだ王妃の命令によって4歳の時に北の国の雪山に捨てられた過去を持ちます。

彼を救い、13歳になるまで育てたのがオズ。オズは凍え死にかけたアーサーの持つ強い魔力を惜しみ、退屈しのぎのつもりで彼を育ててから石にして食べようと考えました(魔法使いにとって石になるとは死を意味し、強い魔力を持つ魔法使いからは強い魔力を持つ石が得られる)。

そう、親切でアーサーを助けたわけではなかったんですね。

しかしそんな思惑があったとしても、アーサーにとってオズは命の恩人。恐れず、無垢に自分を慕ってくる幼いアーサーとの暮らしの中で、最強の魔法使いオズは2000年以上という悠久の歳月を生きていながら初めて世界のことを知り、他者に心を開くのでした。

世界級! オズが抱く深い愛


やがてアーサーが中央の国に戻ることになり、2人は4年という長い別離の時間を過ごします。メインストーリー内で再会は果たされるものの、オズは当初アーサーとの縁を認めたがりませんでした。

魔法使いに向けられた人間達の偏見は根深く、特にオズはかつて世界を支配しかけた恐怖の魔王。アーサーとの繋がりは、王子である彼の名誉を損なうと考えているからです。ですがオズがアーサーに向ける深い愛情は、複数のエピソードから読み取ることができます。

「この世界の祝福のすべてを与えよう。おまえが健やかに育ち、幸福になるのなら、他に願いはない」

「私よりも強い魔法使いになって、どうか……。私より先に石にならないでくれ」(正義と祝祭のプレリュード第11話)

 
オズが子供の頃のアーサーにした発言です。名言すぎやしませんか……! もともと石にして食べるつもりだったはずの子供に対し、オズは「先に石にならないでくれ」と願うようになるのです。きっと本人すら全く予想外だった慈愛の生まれ。真逆の心情変化です。これが元世界征服しかけた男のビフォーアフター。

また、アーサーとの離別後について衝撃の過去を漏らすことも。

「何度も、撒いた灰を集めて、戻した。そして、再び燃やした」
(極光祈る犬使いのバラッド第7話)


オズの城にいた頃のアーサーが過ごした思い出の部屋を、オズはアーサーが去った後に繰り返し燃やしては灰から蘇らせ、そして再び燃やし続けたと語ります。

それも、何千回も。「そうせずにはいられなかった」————オズにとってアーサーとの別れは、それほど耐え難いものでした。

余談ですがこの『犬使いのバラッド』のエピソード、二人の関係性が刺さった方はぜひ全話読んでいただきたいです。公開時はSNS上でも非常に衝撃を受ける声が多かったのを覚えています。

事実アーサーと離れた後、北の国はオズの嘆きに引きずられて凄まじい寒波に見舞われたそう(孤高な盗賊のエチュード第4話より)。凍死者を大勢出したオズの恐るべきクソデカ感情は、仲間から「アーサーに何かあれば、オズは無意識のうちに世界を破壊してしまうかもしれん」と言われるほど。重い。愛が重いのよ、オズ。

では、アーサーにとってオズとはどんな存在なのでしょう。



アーサー『魔法使いの約束』公式ツイッターより


オズなりの理由はあるものの、彼が過去に悪名高い残忍な魔法使いとして世界の半分を支配したのは本当です。

ですが魔法の師であり親がわりとしてのオズしか知らないアーサーは、オズについて「優しくて、強くて、ずっと、私の憧れだった」と心から敬愛しています。きっとオズ様は無口だから誤解されてしまうだけ。世界を征服したなんて間違いだ……と。

これまで複数のイベントでオズの残忍な魔王としての面は露呈しかけているものの、いまだアーサーは真実を知る機会を逃しています。

ゆえに、アーサーはオズに対して異様なほど盲信的。超強火です。それを如実に表すエピソードは、アーサーの親愛ストーリー第5話で彼の口から悪気なく話されています。

「オズ様の誤解を解くのも私の仕事です。だから、公務の合間に歴史書を調べて、間違っているものは修正しています」


これ、一国の王子が世界の歴史を改ざんしてしまっているということになるんですね。さりげなくやばいです。歴史上の悲惨な災害、紛争がオズのせいで起こったものもあるということをアーサーは信じません。

アーサーにとってのオズは「優しくて強い私の憧れ」だから……。オズの過去を知った時、アーサーは怒り、彼を拒むのでしょうか。それとも深く傷つきながらも受け入れることができるのでしょうか。



二人の関係性についてご紹介した上で、今度はオズの師のような存在にあたる双子の魔法使い、スノウとホワイトがしたある予言について考えてみたいと思います。双子の『絶対に外れない予言』は、現在オズの親愛ストーリーでのみ内容が明かされています。

 

「とある者が、賢者の魔法使いに選ばれ、<大いなる厄災>の中……」
「……命を……」
(オズの親愛ストーリー第10話)


ここで、一つ気になる事実を思い返してみましょう。オズは北の国の出身です。それがなぜ、中央の国の賢者の魔法使いとして召喚されたのか。ひょっとしてオズは、アーサーの代わりに自らが中央の国の魔法使いとなることで、アーサーを予言された未来から守ろうとしたのではないか?

その根拠は、以下の発言と描写にあります。

「己は力技で宿命を変えておいての」
(メインストーリー第2章第4話)


スノウとホワイトが、オズに向けて放った言葉です。力技で変えた宿命。それはオズが中央の国の賢者の魔法使いとなることで、アーサーが賢者の魔法使いに選ばれ<大いなる厄災>と戦う未来を捻じ曲げたと推測できるのではないでしょうか。

オズが一番願っているのはアーサーの健やかな成長と幸福。「宿命は変えられない」と言ってのけるにも関わらず、オズ自身は力技で抗う宿命が何なのか。それはアーサーに関わることであると予想できます。

「……おまえの思い通りになど、させるものか」
(メインストーリー第21章第7話)


執拗にアーサーを狙って攻撃する敵に向けて、オズはこうも呟きました。
この発言はオズの親愛ストーリー内で賢者も思い出していますね。

さらに同じ場面で、オズが予言について語りながら手の甲を撫でる描写も。賢者の魔法使いに選ばれると、証として体のどこかに紋章が刻まれます。アーサーの紋章の位置は右手の甲。これはもう、断言していいのではないでしょうか。

予言の「とある者」とはアーサーのことを示している、と。

……マジかよ〜嘘でしょ〜〜!! と思わず顔を覆ってしまうほどの衝撃です。ですが実際、オズの抵抗の甲斐なくアーサーは宿命に軌道を戻すような形で賢者の魔法使いに選ばれてしまいました。全てを知るがゆえのオズのアーサーへの態度は、ストーリーを読み返すとなるほど、と唸る場面が幾つも。しんどい……ここまで切なく美しい関係性でありながら、破綻する未来の気配が常につきまとうのが苦しいです。幸せになって……。



まとめ

 



現在『まほやく』はメインストーリー第2部の製作が決定しており、これまでにご紹介したオズとアーサーの関係性、そして2人の抱える問題が今度どう物語に作用していくのかが注目されます。

オズの過去は、2人の信頼関係は、絶対に外れない予言とは……。試練が山積みのオズとアーサー。ですが前途多難であるからこそ、彼らが物語の中で垣間見せる絆は深く尊いのです。

師弟であり、擬似親子であり、だけれど魔王と王子様という本来は決して交わらないはずの運命だった2人。オズとアーサー。この名付けるにはあまりにしんどい関係性は、まさに唯一無二のものではないでしょうか。

今回は2人の関係性全体と未来に関わる予言に焦点を当てましたが、本記事で少しでもオズとアーサーの、そして『まほやく』の重厚な世界観の魅力をお伝えできていますように!

強い絆で結ばれた2人は、きっとそのお互いを深く想い合う力と仲間達の協力で、どんな困難な宿命にも打ち勝っていけるのだと私は信じています。

私達は<大いなる厄災>がもたらすバッドエンドに向かっているのではない。
めくるめくハッピーエンドを期待していいのだと。

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