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劣等感は男キャラをエロくする…『モブサイコ100』の関係性が私たちの性癖にグサグサ刺さる話

2021/06/14 12:00

逆師弟愛、嫉妬、ブラコン…モブと愉快な男たちとの関係性がアツすぎる!!



冴えない中学生だけど実は生まれつきチート的強さの超能力を持つ主人公、モブこと影山茂夫(CV.伊藤節生)が、なんやかやでエスパー仲間と出会ったり人助けをしたり悪のエスパー組織と超能力バトルを繰り広げたりしながら成長するお話、『モブサイコ100』。
2012年から裏サンデーで、2014年からマンガワンで連載。2017年に完結し、2016年夏、2019年冬にはテレビアニメが放送され豪華声優陣も話題になりました。2021年夏には舞台化第三弾が上演されます!

個人的にモブサイコのテーマは「自己実現」だと思っているのですが、「天才に憧れつつ劣等感に苛まれる秀才キャラ」が性癖の記者にドンピシャに刺さった作品だったので、今回はチート主人公モブと、彼を取り巻く3人の愛すべき男たち・霊幻新隆、花沢輝気、影山律の関係性を熱く語っていきたいと思います!

 

100になると爆発する少年の名は…モブ!

モブサイコ100』作:ONE



あらすじ
自己表現がヘタな超能力少年、通称・モブ。普通の生き方にこだわり超能力を封印しているモブだが、感情が高ぶり数字が100になったとき…少年の身に何かが起こる!!!! アマチュアWEBコミック界最強の漫画家ONEが描く、笑いと涙と驚きと…闘いの日々!
 

◆目次◆
1.霊幻新隆の場合ーー逆・年の差片依存
2.花沢輝気の場合ーー劣等感からのリスペクト
3.影山律の場合ーーハイスペブラコン弟
4.思春期のあなたも大人のあなたも共感できる人生の物語

 

1.霊幻新隆の場合ーー逆・年の差片依存

孤独で見栄っ張りな男の救世主は中学生だった

 

 

⚫︎霊幻新隆(CV.櫻井孝宏)

肩こりマッサージ肩に憑いた霊を落としたり、食塩を撒くパフォーマンス神聖な塩で霊を祓ったり、たまにモブの霊能力を利用してガチ除霊したりする便利屋を営む成人男性。

一言で言うと残念イケメン。アニメ版では「ちょっと顔が良いからって」と罵倒されるシーンがあるので、顔は良いみたいです。博識で論理的で頼りになるのですが、見栄っ張りで胡散臭いのが玉に瑕。根は悪い人ではなさそう。そんな彼を「はいはい」という感じであしらうモブが大変良い! TBS土曜10時の某ニュース番組で〇ートたけしさんを安住〇一アナがあしらう感じが好きな方は、この二人のコンビも好きかもしれません。

作品の中で一番好きなエピソードが、モブが初めて霊幻に反抗するシーン。いつも自分を頼ってきたモブが、自分がいなくても楽しそうにやっている。誕生日なのに友達からも親からも祝われない。「モブに頼られている」という状況がないと、自分ってこんなに孤独だったんだ…。
小学生のモブが霊幻のもとにやってきた日を霊幻が回想するのですが、最終的に、自分が自分の持っていない能力を持つ少年モブ君に憧れを抱いていたことに気付きます。そして孤独な霊幻の元に現れるのはやっぱりモブなんです。こんなの好きになっちゃうだろ…(霊幻が)。

「意識は高くそこそこ優秀だが、結局能力が足りず燻っている人間」の典型のような霊幻。スマートな大人の男を演出している彼が、自分よりも一回り近く若いモブ君に憧れ、依存しているというこの関係は、「逆・年の差片依存系」とでもいうべきでしょうか。

 

 

「自分は凡人だ」と気づいたらその先へ行けるか

 

 

⚫︎花沢輝気(CV.松岡禎丞)

自分のプライドや劣等感をいかに克服するべきか、というテーマを担っているのがこのテルこと花沢輝気だと思うんです。
それまでその美貌と超能力により順風満帆で無敵の人生を送ってきて、自分は特別な存在だという自負を営々と培ってきたテル。しかしある日、自分をさらに上回る強さの超能力を持つモブに、「自分は凡人である」と気付かされることになります。

アイデンティティーの崩壊を経験したテルは自信を失いダメになってしまうのかと思われたのですが、彼は盲目的な自惚れを捨て、現実を直視して自分のありのままを受け入れます。その上で、「では自分は何を持っているのか」というのを見定める。本当に強い男です。

テルはモブへの敗北を認め、「応用力」という自分の武器でその後も大活躍していきます。テルとモブの関係性は「プライドの高い男の自尊心を天才がへし折る」という性癖にも刺さるのですが、テルがアイデンティティーの喪失を乗り越え、自分の本当の強みとモブという天才へのリスペクトを手に入れるところが最高に痺れますよね〜! いやぁかっこいい。

 

 

兄弟愛と嫉妬心に揺れる12歳の心

 

 

⚫︎影山律(CV.入野自由)

モブ君とは1歳差の中1の弟。兄と正反対に容姿端麗、スポーツ万能、秀才、コミュ強、モテ男。さぞかし兄をナメてるんだろうなと思いきや、シンプルに過激派ブラコン

背景には深い事情が。一言で言うと律もテルと同じように、モブに劣等感を抱いているのです。それに加え、二人が小さい頃、感情が高ぶったモブが強大な超能力を引き起こしてしまったのを見てから、モブが動揺することを恐れている律。律がモブに対して過保護セコムな原因の一つです。

一生懸命スプーン曲げを練習するなど自分がいくら努力してもできないことを、兄は何の努力も無しに軽々とやってのけることが許せない律。超能力を除けば兄弟のステータスの差は一目瞭然なのですが、モブは「律は勉強もできて友達も多くてすごいなあ」という調子。むしろそういう天才の無自覚の余裕が律君の焦りを煽っている。
超能力に限らず、こういった兄弟間の確執ってあるじゃないですか。この影山兄弟の、兄弟愛と嫉妬心の間で揺れる関係が、絶妙に性癖なんですよね〜!

まあ、劣等感などを抱きつつも何だかんだ律君はモブの人間性の部分も尊敬してるし大好きなのです。モブがちょっと困ったら飛んでくるのマジセコム。過保護。有能で可愛い弟です。

 

 

自分は選ばれし特別な存在だと思っていたのに実はそうでもないんじゃないか、自分はただの「モブ」、その他大勢、凡人に過ぎないのではないか。そういった自尊心の瓦解は、多くの人が通過する人生の通過儀礼なのではないでしょうか。本作は脂の乗った歳のイケメンと美少年中学生たちがそうした悩みに直面し苦しむ姿が悲壮感なく描かれるという、記者のような趣味を持つ読者にはたまらない作品になっております。

そういった点抜きにも、ヘタウマで迫力ある筆致で描かれる超能力アクションや魅力的なキャラクターたちの濃厚な関係性が楽しめる『モブサイコ100』は超〜オススメ作品! アニメからでもコミックスからでも良いので、ぜひ手にとっていただきたいです♪

担当記者:廣井無名
完全には幸せになれないCPが好きな漆黒のBLファン。キーワードは死ネタ、愛のないSM、流血、狂気、宗教、叶わない恋など。

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