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【BEASTARS】もうひとりの主人公?重い過去を持つカリスマ……ルイの魅力を語る!

2021/05/04 18:00

誇り・カリスマ・孤独……気高き草食獣「ルイ先輩」の魅力に迫る



肉食獣と草食獣、強者はどっちだと思いますか?


多くの方は、「当然、草食獣を食べる肉食獣の方が強いでしょ?」と答えるかと思います。
しかし『BEASTARS』を観た方は……。迷ってしまいませんか?本当の意味での「強さ」って、何なんだ……?(答えのない哲学)

擬人化された動物達が暮らす社会で、主人公の通う学園内で起こった「食殺事件」をきっかけに肉食獣と草食獣の共存について切り込んだ、大人気作品『BEASTARS』。

主人公・ハイイロオオカミのレゴシは大型の肉食獣にも関わらず、気が優しく、ちょっと頼りなくて垢抜けない少年です。そんなレゴシと見た目も中身も対称になるようなキャラクターが彼。

      TVアニメ「BEASTARS ビースターズ」公式サイトより引用

草食獣ながらも気が強くリーダーシップがあり、ストイックで文武両道・眉目秀麗、学園の人気者・アカシカのルイ。通称「ルイ先輩」です!

あまりに完璧なキャラ属性。更に良い声(CV:小野友樹さん)とは……。ケモナーじゃない人も「この牡鹿、イケメン過ぎない……!?」と震えたのではないでしょうか。
演劇部の花形役者でもあるルイは レゴシの憧れであり、ライバルでもあります。時には徹底的に脅威となる敵、時にはこれ以上なく頼れる味方として、物語のカギを握るひとりです。

筆者は、レゴシがBEASTARSでの肉食獣の主人公なら、ルイは草食獣の主人公なのでは?と常々思うのです……。
今回はBEASTARSを語る上で欠かせない、麗しの気高き牡鹿「ルイ先輩」の魅力を徹底解剖しちゃいます!

この記事は『BEASTARS』本編の盛大なネタバレを含みます。アニメ未視聴、原作未読の方はくれぐれもご注意ください!

 

◆目次◆
1.高校生とは思えない圧倒的カリスマ性!これこそが「ルイ先輩」
2.自信の裏に隠された、作品テーマに迫る重い過去
3.優等生なだけじゃない!百獣の王との関係とは……
4.結局敵なの?味方なの?主人公・レゴシとの一筋縄ではいかない関係性
5.実は年相応?鋭いツッコミ!時々見せる少年らしさのギャップ

 

 


まずはルイとはどんなキャラクターなのか。基本プロフィールを紹介します。


・名前:ルイ
・種族:アカシカ
・血液型:A型
・誕生日:3月29日
・学年:チェリートン学園3年生(18歳)
・部活:演劇部(役者長)
・身長:172cm
・体重:53kg
・好きな食べ物:セロリ
・CV:小野友樹

……プロフィール情報だけで、圧倒的イケメン感を感じます。

チェリートン学園に通う高校生のルイは、演劇部で役者長として活躍するスター役者。自分にも他人にも厳しくストイックで、身体の大きな肉食獣の後輩相手にも、臆することなく強気に接します。

特に花形演目「アドラー」では、圧巻の演技力で死神アドラーを勇ましく、妖しく、気高く演じるルイの姿に女子生徒も色めき立ちます。
仮面萌えのある筆者にとってはアドラーを演じているルイ先輩は特に見ていただきたい。イチオシです! この世界に生きられたら絶対にルイ先輩推しになってファンクラブとか作っていたに違いありません……。

更にルイは大財閥ホーンズ財閥の一匹息子であり、次期後継者という将来が約束されています。いやいやもうハイスペックイケメン属性盛りすぎでしょ……。そりゃ学園の人気者にもなるわ! と納得でしょうか??

『BEASTARS』では、ルイ、そして主人公・レゴシが所属する演劇部で起こった食殺事件をきっかけに物語が展開していきます。肉食獣が草食獣を食い殺すという行為はこの世界でもご法度。肉食獣のレゴシと対極の存在であるルイもまた、ストーリーに深く関わっていくことになります。

 


そんなカリスマイケメンのルイ先輩。
主人公のレゴシにも厳しいし、順風満帆な勝ち組人生を歩むいけ好かない奴~!と正直最初は思っていました……。

だけど彼、ただの偉そうなエリートお坊ちゃんではないんです。

BEASTARSで描かれるチェリートン学園以外のもうひとつの舞台、それが裏市です。
食肉が罪とされ、様々な種族が仲良く平和に暮らす動物社会の闇の側面。非合法に肉を販売する裏社会です。
そしてこの裏市こそが、ルイの本当の出身地

なんとルイは幼少期、言葉も教えられずに裏市で生き餌として売られる、名もなき「商品」だったのです……。
右足の裏には、その時の商品番号である「4」の刺青が今も消えずに残っています。
学園のカリスマ扱いされている時も、アドラーを演じている時にも、この衝撃的な過去を背負って強気に振舞っていたのかと思うと……闇の深さと健気さにグッッときませんか……!?

しかし裏市で食べられるために育ったルイが、何故学園のカリスマや財閥の御曹司として生きることになったのか?気になりますよね。

ルイの過去を語る上で欠かせないのが、養父・オグマの存在です。


ホーンズ財閥の一匹息子のオグマは、子孫を作れない身体のため、後継者として育てるべく当時5歳のルイを裏市から高額で引き取ったのです。
生き餌としての運命から「助けられた」ルイですが、牢の中には共に育った生き餌の仲間達が……。抵抗するルイにオグマはある試練を与えます。

その試練とは、たった1本のナイフを持たせ、飢えた肉食獣達のいる部屋に放り込まれるというもの。この窮地をどう切り抜けるのかを期待されましたが……幼いルイの選択は、自らの喉にナイフを突き付けること。

肉食獣に食い殺されるくらいなら、肉食獣を殺すくらいなら、自分で命を絶つことを選んだのです。壮絶すぎる5歳児の人生……!
結果的にオグマはその気高い覚悟を気に入り、ルイを表の世界に連れ出し、二匹の義親子人生が始まりました。
(これってつまり、血なまぐさ過ぎる「おもしれー女」現象……?)

……こんな過酷な過去を経ていると聞けば、ルイの年齢不相応で強かな振る舞いにも納得ですよね。重い過去を持った孤高のカリスマイケメンだなんて、更に属性が付与されちゃってますよ……!

それにしても身寄りのない生き餌を金の力で後継者にするなんて……。冷血な父親なのかと思いきや、このオグマもまた良いキャラしてるんです!

「このままルイ様がお戻りになられなかったらどうなるのでしょう…」と尋ねる執事に対して真顔で「泣く」と言い放ったり、ルイに冷たすぎる事を言ってしまった後にこれまた真顔で「言葉選び間違えた」と内心思っていたり、写真に映る時には変なビジネススマイルで固定されていたり……。不器用過ぎる無表情インテリエリートイケオジのギャップ萌えとは、この親子、やりおる……!

お互いに不器用な親子関係にもだもだしつつも、この距離感がイイんですよね~!

過去が明らかになったルイの、キャラクターとしての快進撃は留まることを知りません。
特にターニングポイントとなったのが、ヒロイン・ハルを攫ったライオンの暴力団「シシ組」のボスとレゴシの死闘を描いたエピソード。

この戦いにルイは登場しないかと思いきや……。レゴシがハルを助け出した最後、瀕死のボスから人知れず2匹を救ったのがルイだったのです。
冷酷な目で笑い肉食獣に銃を突きつける姿はまさに闇のイケメン……かっこよすぎます。

シシ組のボスを銃殺した後、返り血に塗れ自ら「4番」と名乗り、組員達の前で「感謝して食えよ」と狂気的に声を上げて笑う姿はまさに名シーンです。
死に際の弱い草食獣。にも関わらず、なんなんでしょうこの壮絶な色気は……!
このシーンでルイに落ちた人も少なくないはず!


シシ組戦後、ルイは消息不明となり学校に来なくなってしまいます。本編にも登場しなくなり、もしかしてこのまま退場なの……!? とショックを受けた人も多いでしょう。

しかし数話後には満を持してアッサリ再登場!あまりにアッサリ出てきたため、レゴシと一緒に読者も唖然です。

ですが再び私達の前に現れたルイは、かつてのようなただのストイックな優等生ではありませんでした。どこか達観したような、憮然とした態度でコワモテのライオン達に囲まれ「ボス」と呼ばれていて……!?

えっ!? ルイ先輩どうしちゃったの!? と心配しつつ、スーツ姿でライオンを従わせる姿……悪堕ち感漂うマフィアスタイル……イイ……。と思わずときめいてしまった方、正直に手を挙げてください。仲間です。

なんとルイは弱冠18歳、それも草食獣にして「新生シシ組」のボスとして君臨したのです
年齢も体格も、種族としても自分より上のライオン、しかもごっついヤクザに囲まれることを想像したら……。めちゃくちゃ怖いですよね。泣いて死を覚悟します。しかし流石はルイ、ヤクザのライオン相手にも強気な態度は崩れません。う~んかっこいい……!

主人公に負けず劣らず濃ゆい経験を積んでいるルイは、シシ組でもこれまたエモエモな関係を築くことになります。
その相手が彼、切れ長の三白眼と眼鏡が特徴のインテリ風ヤクザ・イブキです。


始めは利用するつもりでお互いを探り合っていましたが、シシ組で最初にルイを本当のボスとして認めていたのがこのイブキでした。組の中でも年長者のイブキは、ルイに一目置くと同時に 彼を組に引き込んだことに責任を感じます。

草食獣なのに組員の前で肉を食べたりと、無理をしているルイに世話を焼いていたイブキは、どうにかルイに信用してもらうために“あるもの”を晒しました。
それが腕に刻まれた刺青。自分もかつて裏市で、肉食獣の身体で作る健康薬「威怪薬」の素材として売られていた証です。

過去の境遇が類似していることも相まって、お互いに秘密を共有した2匹の間には、少しずつ信頼関係が生まれてきます。
イブキの前では野菜を食べたり、お酒に強くないことを明かしたりと、心を開くようになるルイ……。強い男が特定の相手にだけ弱みを見せる姿というのは、どうしてこんなに心躍るんでしょうか!?

ですが、ずっとハッピーなヤクザライフとはいきません。

ある抗争後。ルイと2匹きりになったイブキは、ルイに対し「あんたは弱いままでいいんだ」「守るべきものがあると肉食獣はこんなに強くなる」と言うのです。
その言葉を聞いた時、ルイは自分の中の肉食獣に対する愛情に気が付きます。そして「肉食獣が好きだ」という自覚をしたからこそ……。その時命がけで戦うレゴシの元へ行くために、今すぐ組を抜ける決意をしました。
しかし裏社会の組織は気まぐれで抜けて戻ってこられるほど甘くはありません。
イブキはルイの覚悟を試すために襲い掛かり……追ってきたシシ組の仲間、フリーによって射殺されてしまいます。それも、仲間を信頼して「自分がボスを食べようとしたら撃て」と託していた弾によって……。

こうしてルイはイブキの命と引き換えに、表世界へ帰ってくることを許されたのです。ベッショベショに涙した人は少なくないのではないでしょうか?今でもしんどい……。

そういえばイブキの顔は、誰かに似ていると思いませんか?

そう、先述したルイの養父・オグマにそっくりなんです……。

イブキはルイの前で死を遂げますが、後の展開でなんとオグマも事故に遭い亡くなってしまいます
方や合理的で冷静な鹿の大財閥の社長。方や裏社会で生きたライオンのインテリヤクザ。正反対の2匹ですが、オグマの死の前、ルイはその眼鏡の奥の切れ長の目に「俺にとっての憧れの大人の目だ」と2匹の存在を重ねていました
「花形役者のルイ先輩」「シシ組のボス」として気高く強気に生きてきたルイの、自分でも気が付かなかった気持ちが垣間見える場面です。

合理的で何を考えているかわからない。ビジネス会話ばかりで優しい素直な言葉を言い合ったことなど無い2匹でしたが、最期の最期にようやく親子としての愛情を伝え合います。

同じ目をして、そしてルイの前から去ってしまった2匹の大人
強く生きることを強いられたルイの人生において、オグマとイブキという二匹の父は重要な存在となりました。
アニメ2期のEDテーマ曲である「優しい彗星」は、漫画原作者の板垣巴瑠先生が書き下ろした小説を原作とした楽曲で、ルイとイブキの関係を描いていることでも話題になっています。
2匹の結末を知ったファンは、MVも歌詞も涙なしには見られません……。

 

 


孤高のカリスマ、不器用な高校生、裏社会の若きボス……。と、作中で次々と新しい顔を見せてくれるルイ。ストーリーを通して、主人公のレゴシとの関係性も移り変わっていきます。
序盤では厳しくストイックな、主人公のライバルポジションかな?という印象でしたが、今や二匹の関係はとてもひと言では言い表せません。

「弱者のように振舞う強者」のレゴシと、「強者のように振舞う弱者」のルイ。
過去も相まって捕食される側(草食獣)であることに強いコンプレックスを持つルイは、レゴシにも「どうして君は自分の強さに責任を持たないんだ」と言い放ちます。
このセリフ、当時のレゴシのキャラクター性をバシッと言い表している感じがして大好きなんですよね……!

BEASTARSに欠かせないエピソードのひとつと言えば、演劇部で起きた食殺事件の犯人・リズとレゴシの大晦日の決戦です。
因縁のリズと戦いの約束をしたレゴシは、ルイに立ち会いを頼みます。
悩んだ末にシシ組と別れ、イブキを失い、裏社会から足を洗い駆け付けたルイですがレゴシの戦況は劣勢。

死ぬかもしれないのに無茶をするレゴシに、虚勢を張って突き放しながらも、ルイは初めて涙を流します。
これまでの強く生きるルイを見てきたからこそ、今まで見せてきたどの表情とも違う幼い泣き顔には思わずこちらももらい泣きです……。

そしてその後ルイは
「食べろレゴシ 戦う力をつけるんだ」と自らの右足をレゴシに差し出します

生き餌として売られ、生き延び、過去を隠して生きてきたルイのこの行動……。一体、どれ程の想いと覚悟があったでしょう……!?(泣)
結果、レゴシは食肉、それも生きている友人の身体の一部を食べるという禁忌を犯します。
まさに言葉の通り2匹はひとつとなり、ルイの右足を代償に得た力でレゴシはリズに勝利するのですが……。いや、こんな重い関係、ある……?

「呪いを解いてくれ」と言うルイにとっては、右足に刻まれた消えない過去をこの世から無くしてもらうという、救済でもあったのかもしれません。

合意の元で食肉を行なった若い肉食獣と草食獣。それからルイは別の戦いで怪我を負ったレゴシに、手土産を持ってお見舞いに来るくらいには気にかけているようです。
(この時に 1.果物ゼリー、2.俺、3.カステラ、この中でどれが食べたい?というジョークをレゴシに言い放つブラックさ、好き……!)

ライバル、敵、味方、友達……?そのどれでもないし、どれでもある二匹の特別な絆からは、ハマったら抜け出せません……。

 


数々の修羅場を越え、波乱の人生(鹿生?)を歩むルイ。シリアスな印象が強いキャラクターだけに、ギャグシーンで見られるギャップはたまりません!

思いもよらない大胆な行動をするレゴシにツッコむ姿には、ルイも高校生なんだなぁとほっこり……というか泣きそうです。もうずっと幸せに楽しく高校生らしく過ごしてくれ……。
境遇もあってかいつも気を張りがちなルイですが、どこかズレているレゴシとはある意味とても相性が良いのかもしれませんね。

筆者が地味に好きなシーンは演劇部の稽古中、自分の角にタオルをかけているシーンです。勇ましくてカッコいい角をそんな便利道具みたいに活用して……。かわいい……。
皆さんも是非推しシーンを探してみてください!

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いかがでしたでしょうか?

ルイの壮絶で美しい生き様を、「BEASTARS」本編で何度でもチェックしてみてくださいね♪

  

担当記者:こんぬ
明るいギャグ作品か胸糞エロバッドエンドを好む。
グラサン、ぽっちゃり、ブサイク、アフロなどちょっと王道を外れた属性が大好物で同志探しに命を懸けている。

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