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自分をごまかさなくていい。ドラマ『なら恋』はキュンとする“自己肯定”の物語だった

2024/08/20 18:00

ゆっくりと育まれる青春の恋が眩しすぎる

 

昨年放送された、江の島を舞台にした男子高校生同士の恋を描くドラマ『君となら恋をしてみても』通称「なら恋」

全5話と短いながらも美しい風景の中で育まれていく関係性がエモい「なら恋」の推しポイントを、プレゼンしていきたいと思います!

 

 

◆目次◆
1.原作のキャラが三次元に存在(い)る~!
2.青春の恋の変遷を丁寧に描く
3.自分のセクシャリティを「茶化さなくていい」

 

君となら恋をしてみても

 

あらすじ
真っ直ぐで、誰に対しても優しい龍司と、ある事をきっかけに自分の気持ちを誤魔化すようになってしまった天。偶然出会い、共に過ごしていくうちに、少しずつお互いを想い、惹かれあっていく……。江ノ島を舞台に、男子高校生たちの最も純粋でまばゆい恋の物語がゆっくりと動き始める。

 

 

 
 
 
 
 
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第一に、龍司と天(あまね)こと「りゅあま」を演じる主演の日向亘さん&大倉空人さんの演技力を褒めたたえたい!!

江の島の食堂を切り盛りする男子高校生・龍司役の日向さんは、仮面ライダーやテレビドラマなどに数多く出演され、大河ドラマ経験もある役者さん。
そして転校生の天役の大倉さんはスターダストプロモーションのダンスボーカルグループ「原因は自分にある。」通称「げんじぶ」のメンバーにして、演技経験も多数あるようです。


甘え上手ながらどこか陰のあるゲイ男子・天と、クールながら無自覚キュン大量製造機な龍司。
BL特有の、演じるのが難しいキャラクターだったように思うのですが、それぞれの絶妙なバランスを演技派のお二人がリアルに演じられていて、本当にこんな子たちいるだろうな~! と思えてきます。

脚本はほぼ原作に忠実に作られていますが、一番の違いは「身長差」。原作だとりゅあまはあまり差がないのですが、ドラマ版では8cmほど龍司が高く、身長差ができています。それによって天の上目遣いが生まれるなど、天の可愛いキャラクターが際立っています!

 

 

 
 

 

恋というのは、一瞬で恋に落ちることもあれば、じわじわと募っていくこともあるもの。「なら恋」では、小さな「キュン」が積み重なっていって恋になる過程が丁寧に描かれています。

天は最初に龍司と出会った時もちょっとタイプだな~と思っていたみたいですが、自分のことを真剣に受け止めてくれる姿勢や、ふとした優しさにちょっとずつ思いが膨らんでいき、伝えずにはいられないまでに大きくなっていくんです。
龍司もまた、戸惑いながらも何だかなかったことにはしたくないという自分の想いに気付き……。

第1話のラッキー壁ドンシーンは新しい壁ドンキュンの時代の幕開けや! とスタオベしてしまいました。負けずに「髪ベタベタだ〜」と必殺頭ポンポン返しを繰り出す天の強さよ……。
ロックオンしたら止まらない天が「放課後、デートしよ」と囁くシーンは、ともすればベタなきゅん演出ですが、なら恋はそこが本当に自然に見えるんです。

 

 

原作者の窪田マル先生のXスペースでは、原作では天視点が主となりますが、ドラマでは龍司が天に惹かれていく過程を見せてもらうようにしたとのこと。確かに、ドラマでは龍司の表情もしっかり映されるため、どういう瞬間に天に対して「グッときた」のかが手に取るようにわかります。
窪田先生は、無意識にキュンとするセリフを次々と繰り出してくる龍司の沼深さも語っておられました。相手のためにというわけではなく、自分の気持ちの赴くまま、爽やかに親切やキュンを提供する龍司、罪……。


高校生らしくちゃんと「エロい目で見てる」というセリフもあり。ただのゆるキュンラブじゃないところもポイントです。眩しい~!! 青春ですね!

 

 

 

 

 

カミングアウトを冗談だと一蹴され傷ついたり、好きな人に好きになってもらえる可能性が低かったりといった経験から、自分の本当の想いを笑顔で隠しがちな天。そんな中、「男が好き」だと自分で茶化しながらカミングアウトした天に、龍司が「茶化さなくていいっすよ」と伝えたシーンは象徴的です。


そんな龍司に惹かれながら、いつも通り叶うことのない「許されない想い」だと思っていた天に、龍司は友達に突然告白された驚きの中「好きになっていけたらいいと思ってる」と向き合っていきます。
「あの時捨てた心を君が拾い上げてくれた」というキャッチコピーのように、自分をごまかさなくていいんじゃ……? と天が心を開いていく過程が描かれています。


窪田先生のスペースでは、天が自分のセクシャリティを茶化して言うようになったきっかけの回想シーンに、原作からセリフが付け足され、相手が「天そのものを馬鹿にしたのではなく、天の言ったことを冗談と受け取ってしまった」というシチュエーションに変わったことについて語られていました。このように原作側とドラマ制作側で丁寧に打ち合わせを重ね、実写化された作品だと観ていて分かります。 

 

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いかがでしょうか。太陽をアイスのコーンに乗せたように写真を撮る「夕日アイス」のシーンも、海を臨むロケーションだからこそできますよね! 神社が二人にとって大事な場所になっているのも尊い。聖地巡礼したくなります……。

脇役も良い役者が揃っていてとてもいい作品なのですが、それにしてもたった5話! 短すぎる! どうやら原作コミックスでいうと2巻までの内容になるっぽいので、是非その先も観たいところです。続編をば!!

Netflix、U-NEXT、FOD、Huluなどで全話見られます!


原作『君となら恋をしてみても』作:窪田マル

 

 

あらすじ
中学生のころ、自分の恋心は嘲笑されるたぐいのものだと知ってから、真面目に人を好きになるのをやめた。そんな高校生の天(あまね)は、転校先で同い年の龍司(りゅうじ)に出会う。友達として側にいるうちに天の気持ちはどんどん変わり始めて……。

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