1
11/25
「センチネルバース」って何?令和に来る「バース」はこれだ!!!
BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。
2022/01/04 20:00
オンラインでサービスを提供するアプリゲーム、通称「ソシャゲ」。ソシャゲコンテンツをメインに推すオタクにとって、この世で最も恐ろしい言葉があります。
それは「サービス終了」の、6文字……。
推しを全力で推していた、輝かしい日々……。毎度心を豊かにしてくれる麗しいスチルの数々や、心を揺さぶり我々の思考を支配する物語……。何より、人生においてなくてはならない存在となってしまった推し。
そんな推しとのかけがえのない思い出が詰まった世界そのもの、すなわちこちらの世界で言う"アプリ"が、「サービス終了」の6文字(通称:サ終)によって歴史に幕を閉じる。我々オタクにあまりにも唐突に、残酷に突きつけられるそんなもの、"死"以外になんと表現すればいいのだろうか……。
しかし死を迎える直前、オタクはこう思うのです。
推しに罪はない……。推しと出会えて、良い人生だった……。どうか、どんな形であれコンテンツが続きますように……。
そして願わくば、来世は、終わらないコンテンツを、推した、い……。(ガクッ)
新しいソシャゲが続々とリリースされる中、Google playの売り上げトップ100に入っているアプリが5年後も同様に売り上げを維持できる確率は、なんとわずか12%だそう……。
そんな大ソシャゲ時代の昨今、2021年にリリース6周年を迎えつつ、TOPセールスランキングに名を連ね続ける長寿アプリがあります。
それこそ、知っている方はあまりにも知っている、大人気アイドル育成ゲーム『あんさんぶるスターズ!!』。
できるだけ終わらないコンテンツを追うために、大ソシャゲ時代の荒波を乗り越えてきた『あんさんぶるスターズ!!』の長寿の理由を、あんスタ沼から抜け出す気もない筆者が真剣に考えてみました。
できるだけ客観的に分析していこうと思いますので、温かい目で見ていただければ幸いです。
◆目次◆
1.気になるソシャゲの平均寿命
2.働き過ぎてしまう運営
3.「存在するコンテンツ」へ
まずは、あんさんぶるスターズ!!(以下あんスタ)と同時期や、以降にリリースされた女性向けソシャゲの中から、筆者が当時ダウンロードして履修したコンテンツの動きを簡単に年表にまとめてみました。(他にもたくさんあるのですが、とても入りきらなかった……。)
この年表まとめるの、めちゃくちゃツラかった……!
サ終発表当時のことを思い出して、めちゃくちゃツラかった……。というのは置いておいて、大体のものがリリースから2年ほどで何かしらのアクションがあることが分かります(『ツキノパラダイス』や『B-PROJECT 無敵*デンジャラス』は、ソシャゲ発のコンテンツではないので「ソシャゲのイベント」と括れるのか筆者が悩んでしまったために割愛していますが、声優さんによるライブやイベント、アニメの放映などがありました)。
というのも、ソシャゲの平均寿命はわずか2年半なんだとか。
しかしこれはサービス終了してしまうものでも大体2年半続くというわけではなく、長期化した上で終了してしまうものと短い期間で終了してしまうものが乱立しており、その平均値が「2年半」。
事実、筆者が今回年表に記載した8本のタイトルのうち、半数以上である5本ものタイトルが終了しているという現実……。キビシイ……。
ソシャゲは年々当然のようにクオリティが向上していますが、クオリティを上げ、それを維持するためにはある程度の人員、すなわちコストがかかります。ゲームの開発にかかったコストを回収する見込みが立たなくなったとき、ソシャゲコンテンツは泣く泣く終わりを迎えるのです……。(グスッ)
改めて年表を見ていると、アニメ放映というビッグイベントを迎えたコンテンツは根強い傾向にあるように見受けられます。筆者が思うに、アニメはソシャゲコンテンツが「新規ユーザーを獲得するために打てる最大の広告」であり、アニメ放映によって獲得した新規ユーザーをいかに定着させられるかでコンテンツの存続は大きく左右されると言えるでしょう。
その点に着目すると、アニメ放映後すぐに従来のいわゆる作業ゲーだった『あんさんぶるスターズ!』から、音ゲー要素が追加され、MVなども存分に楽しめる『あんさんぶるスターズ!!』へと大型アップデートを果たしたあんスタは、絶妙のタイミングで新規ユーザーを定着させることができたのではないかと推測できます。
あんスタは2015年12月にアニメ化とロゴが発表され、2017年に放送予定でしたが、以降全く音沙汰がなく、突然2019年に放送が延期されるという異色の経歴を持っています。今思えば、すべてはアップデート時期への布石だったのでしょうか……? 真相を知るのはHappy Elements様のみ……。
ここまで長々と、ソシャゲの寿命などについて述べてまいりましたが(お付き合いいただきありがとうございます! )、肝心の「終わらないコンテンツ」への道へ迫るため、あんスタがなぜ多くのユーザーに愛されているのかを考えてみようと思います。
あんスタの魅力はというと、やはり美麗で洗練された絵柄のスチル、我々の心を時に抉り、時に癒しを与えてくれるストーリー、聴けば聴くほど好きになる楽曲……などなどが挙げられると思います。
しかしながら、魅力的な絵やストーリーを持ったコンテンツは少なくありません。ではなぜ、あんさんぶるスターズがここまで長寿であり圧倒的な人気を誇っているのか……。
筆者がその主な可能性としてここで挙げたいものは、その「頻度と物量」です。
まず、頻度についてですが、あんスタでは基本的に毎月15日と、30日もしくは31日の15:00~、イベントが開催されます。調べてみると、意外とここまで決まった頻度と日程でイベントが開催されるコンテンツは多くありませんでした。
これは筆者の個人的な感覚を含みますが、イベント開催期間と同様イベント予告の発表日も決まっているため、次回イベント予告を待機している方が多く、発表時に反応する方がとても多い。これによりTwitterのトレンドに入るなど話題に上りやすく、多くの人の目に留まりやすいのではと考えられます。
また、日程を空け過ぎず、詰め過ぎずにイベントを開催することはユーザー離れを防ぐ最も有効な手段であり、全ソシャゲコンテンツが目標とすべきことであると言えるでしょう。とはいえ「空け過ぎず、詰め過ぎず」というのも、ものすごく個人の感覚に左右されることなので、丁度いい塩梅を攻めるのも難しいんですよね……。
そして物量に関しても、部屋中に飾りたくなる美麗なスチルを持った高レアカードが、毎月少なくとも6枚。さらに一生見ていられるようなクオリティのMVが、多い月ではなんと4本。加えて新曲が続々とリリースされ、ほとんど毎月のように何かしらの新曲が発売されています。溺れそうなほどの供給です……。
新曲の発売頻度がわかりやすいよう、各タイトルの楽曲CD発売本数を調べてみました(完全手作業で調査したので間違っていたらごめんなさい!)。
は、ハチジュッ……あんスタが圧倒的な本数のCDをリリースしていることが分かります……。あんスタ登場キャラクターのCVを担当されている声優さんも、番組で「しょっちゅうレコーディングしてるよね!」とだいぶ強めにおっしゃっていました。本当にそうなんでしょうね……。
今もソシャゲのサービスが続いているコンテンツは、リリース頻度がそもそも高いというのも伺えます。
新曲の酔いが醒めぬ間に、次の新曲が供給される状態……。早いペースで楽曲を製作するのはものすごく大変だと思いますが、コンテンツの存続には大事な要素なのでしょうね。与えられれば与えられるほど、もっと欲しくなってしまうのがオタクなのであります……。
さらに「MV衣装総選挙」なるものを開催し、音ゲー要素の無かった『あんさんぶるスターズ!』時代のイベント衣装のうち、投票で選ばれたものをMVで着せられる衣装として実装するという企画が実施されました。この企画に対して、Twitterで見かけた製作陣の方が「作っても作っても終わらない」旨を呟いていました。無限衣装地獄……。
そんな働きすぎなあんスタ運営が2021年8月31日に突如行ったのは、オンライン花火大会。さぞかし夏を感じられる楽しい風流な企画かと思いきや、なんと49時間ぶっ通しで14万発の花火を放送し続けるという狂気の沙汰! 20分に一度、夜中だろうが早朝だろうがおかまいなしにアイドル達が花火を見に来てくれるため、オタクは推しとの思い出の一枚♥ を収めるためにおちおち眠っていられない、という地獄の花火合宿。多くの方が目を血走らせていたことでしょう……。
最後に、 筆者があんスタの大きな魅力として捉えているものとして、「リアル展開」があります。
我々二次元オタクが抱える永遠の悩み。これは出来れば口に出して言いたくないんですが、うーん、えっと……あの……言ってしまうと……お、「推しがこの世に存在しない」こと、です……。く……っ!
しかしそんな「存在しない推しの存在を感じる方法」が、いくつかあります(ややこしい)。
例えば、聖地巡礼。推しのいた場所へ足を運び、推しの見たものを見て、推しの感じたであろう風を感じる……。決まった場所のない聖地巡礼は創り出すしかなく、架空の設定が多ければ多いほど再現が難しくなるもの。そんな中で、彼らの世界が確かに"ある"、すなわち彼らがこの世に"いる"ことを我々に感じさせてくれる展開を、あんスタは行っているのです。
たとえば2020年12月に、突如東京・中池袋公園に出現した謎のクリスマスオブジェ。事前に何のアナウンスも無く、本当に突然現れました。
(何故か筆者は正面からの写真を一枚も撮っていませんでした。ごめんなさい。)
こちらのオブジェ、実際にあんスタのゲーム内のストーリーやMVで登場するものなのですが、『あんさんぶるスターズ!』を匂わせるものが一切なく、これ実際に見ても未だに『あんスタ』って知らない人、いるのではないでしょうか……? 一緒に可愛らしいクリスマスカードも配られていましたが、そこにすら「あんさんぶるスターズ」の記載は一切ナシ。どういうことだってばよ。
さらに、2021年5月にオープンしたのは、あんスタ世界に存在する『カフェ シナモン』。
実店舗では見た目もメニューも、どこからどう見ても普通のカフェ。しかし店内の再現度はすさまじく、まさしくストーリーにたびたび登場するあの『カフェ シナモン』。初めて行っても、ファンなら「うわ、見たことある~! 」となること間違いなしのクオリティ。
そんな『カフェ シナモン』においても、公式HPにすら「あんさんぶるスターズ」の記載は一切ナシ。唯一あるのは、あんスタの世界の中心になっている場所、「ENSEMBLE SQUARE」の文字のみ。
その他にもあんスタのアイドル達は、様々な施設や企業とタイアップを重ね、挙句の果てには国とまでタイアップを果たしましたが、その際に権利表記等で記載されるのも「あんさんぶるスターズ」ではなく、彼らが所属するアイドル事務所の名前……。こんなコンテンツある!!?(大困惑) 徹底したカモフラージュに恐怖すら感じます。
さて、ここまで長々と事例を紹介してきましたが、筆者が伝えたいあんスタの強みとは、あんスタ運営は、『あんさんぶるスターズ』を展開する際に、より「彼らの世界に近い形態」で展開しているということです。
作中の彼らの意図を汲み、環境をそのまま再現しようとする姿勢……。彼らがアイドルとして我々の世界と同じように企業とタイアップをすれば、当然権利表記は所属事務所になる、という事実に基づいた(?)表現。こういった細かい配慮により、我々オタクにコンテンツを実在のものであるかのように錯覚させてくれるのです。
ファンだけでなく、通りがかった人までもを楽しませる「実在するコンテンツ」展開は、オタクの心と日常に深く突き刺さり、コンテンツを永遠に近付ける礎を築くものであると筆者は考えました。
今や星の数ほど存在するソシャゲコンテンツが、たとえ形は変われども、永遠に続いていくといいですよね。
永遠にね……。
*****
いかがでしたでしょうか?
ソシャゲ大好きな筆者は、オタクを虜にする魅力的なソシャゲコンテンツが1つでも多く、1日でも長く続くことを祈るばかりでございます。
オススメのソシャゲ等がございましたら、コメント欄にて布教などしていただけると筆者がとてもニヤニヤいたします♪
担当記者:キリン |